ジャパンケネルクラブに登録されている10のグループのうちの1つに「テリア」があります。
今回は、テリアの中の「ヨークシャテリア」について紹介します。
ヨークシャテリアの歴史
ヨークシャテリアは、「ヨーキー」の愛称で親しまれているイギリス原産の小型犬です。
ジャパンケネルクラブが公認している犬種の中では、チワワに続いて2番目に小さいサイズの犬種です。
もともとテリア種は、人間の食べ物や作物を荒らすねずみなどの小動物の駆除を仕事として活躍していたため
労働者階級の人々に飼われていました。
しかし、その美しい毛並みや愛らしい性格が評判となり、次第に上流階級の人々へも広まっていきました。
1861年、イギリスのドッグショーにはじめて出展されると、その美しい毛並みが「動く宝石」のようだとと絶賛され
人気はさらにアメリカへと渡ることとなります。
その後もさらなる美しい被毛になるように、ブリーダー達の間で交配が繰り返されてきましたが、
実はヨークシャテリアの歴史は浅く、その歴史はまだ150年程しかなく、比較的新しい犬種なのです。
日本にヨークシャテリアが渡ってきたのは戦前と言われており、
1970年代にはマルチーズ、ポメラニアンとともに「座敷犬御三家」と称され人気を博しました。
その後現在に至るまでジャパンケネルクラブの登録件数調査でも常に上位を維持し続けている人気犬種です。
ヨークシャテリアの特徴
ヨークシャーテリアは、体高約18~23cm、体重は約2~3kgと小型犬に属します。
歴史が浅く、交配していく過程でテリアの血が入ったため
FCI(国際畜犬連盟)では認められていないサイズのヨークシャテリアが生まれることもあります。
体重が1.8kg未満のヨークシャテリアは、普通のヨークシャテリアとは区別され
「ティーカップヨーキー」と呼ばれています。
また、ヨークシャテリアは、小型犬の中では比較的長寿で平均寿命は14~16歳です。
18歳まで生きると、人間で言うと100歳くらいです。
ヨークシャテリアは、シルクのような毛質と毛並みが美しさが特徴です。
幼犬の頃から成長するとともに毛色が約7回も変化するといわれています。
毛色は、
・ブラック&タン
・ブラック&ゴールド
・ブルー&タン
・ブルー&ゴールド
の4種がいます。
ブラック&タンは黒にタンという黄褐色が混じる毛色で、幼犬はほとんどこの色合いです。
ブラック&ゴールドは、タン(黄褐色)が徐々に薄くなり、光沢のある金色のような美しい色で、
ブラック&タンからの成長過程で見られます。
ブルー&タンは、「動く宝石」のようだといわれるようになったきっかけの色で、
光に当たると黒の毛色が光り青く見えるため、ブルー&タンといわれています。
ブルー&ゴールドは最も美しく、光り輝く青と光沢のある金色です。
ヨークシャテリアの性格
ヨークシャテリアは、テリア犬種に共通する「テリアキャラクター」という特性を継承しています。
テリアキャラクターとは、
・頑固
・勇敢
・大胆
・機敏
・活発
・忠実
などの特徴的な性質を持ち合わせており、ネズミなどの小動物を駆除する犬として働いていた
猟犬である過去を持つテリア犬は、負けん気が強く自己主張も強い性格です。
ヨークシャテリアは、見た目は小柄でかわいらしい風貌ですが
大型犬でも恐れることなく果敢に立ち向かいます。
ただし、防衛本能が強く、生活音に反応して吠えてしまうという一面もあります。
また、ヨークシャテリアは内面の特性のみならず、身体的にもテリア犬の特性を受け継いでいるため
十分に運動が必要とされる犬種です。
犬種にかかわらず、全ての犬に共通して言えることですが、飼い主は愛犬に十分な運動をさせてあげる必要があります。
運動をしないことでストレスが溜まり、心身ともに不調が続きトラブルが起きてしまう可能性もあるのです。
また、やんちゃな性格のヨークシャテリアは、室内犬として飼うことは向いていますが
小さな子供との生活にはあまり適していません。
遊び相手になるようなタイプではなく、知的な遊びに向いている犬種です。
ヨークシャテリアの飼い方
ヨークシャテリアは、小型犬の人気ランキングで常に上位をキープしていますが
意外と飼うのが大変だという声も多くあります。
それは、先ほど話したテリアキャラクターと呼ばれる気質が関係しています。
頑固でマイペースなヨークシャテリアは、見た目とのギャップに悩む飼い主が多いのです。
◆しつけ◆
ヨークシャテリアは、防衛本能が高く、警戒心も高いため、無駄吠えに悩まされることもあります。
自己主張が激しいので、子犬の頃からしっかりとしつけを行う必要があります。
飼い主と犬の上下関係や信頼関係をうまく築きましょう。
しつけは、叱ることではなく、犬を嬉しい気持ちにさせて褒めてあげることが大切です。
無駄吠えをしている時は、決して言うことを聞いてはいけません。
落ち着いたら、褒めてお菓子をあげるなどし、要求を聞いてあげましょう。
このことを繰り返すことによって、根気が必要ですが無駄吠えを直すことが出来ます。
◆飼育環境◆
ヨークシャテリアは、繊細な小型犬であるため室内犬として飼うことに向いています。
被毛がシングルコートなので、冬はヒーターなど、夏は冷感シートなどを使って、1年中室内の温度調整をしてあげましょう。
また、ヨークシャテリアの骨格は大変華奢なので日ごろから骨折や脱臼に十分注意をする必要があります。
外遊びの際はもちろんのこと、普段の室内での生活フローリングの床はツルツルと
滑りやすいので負担がかかって怪我をしてしまう恐れがあるので
カーペットや、滑り止めなどを用意して負担を少しでも減らしてあげましょう。
◆運動、健康管理◆
ヨークシャテリアは、小型犬の中では運動量が最も必要な犬種の1つです。
散歩だけではなく、ボール遊びやドッグランなど体全体を使う遊びを日ごろから取り入れましょう。