「畑の肉」と呼ばれる大豆から作られる豆腐は、高タンパク、
低カロリーでヘルシーな食材として、広く知られています。
実は犬にとっても、栄養価が高く、時にはダイエットの心強い味方にもなる食材なのです。
今回は、豆腐が持つ栄養素、与える際の注意点などをご紹介していきます。
豆腐の栄養価と適量は?
木綿と絹ごしの主な栄養価を比較してみましょう。
カロリーは木綿が72kcal、絹ごしが56kcal。
たんぱく質は木綿6.6g、絹ごしが4.9g。
脂質は木綿4.2g、絹ごしは3g。
カルシウムは木綿120mg、絹ごしが43mg。
以上は100gあたりの栄養価です。
木綿は水分を搾って作られている為、栄養分が凝縮されており、絹ごしに比べ、全体的に栄養価がやや高め。
一方、絹ごしは水分を搾らない為、水溶性の栄養素であるカリウム、ビタミンB群が多く含まれています。
いつも食べているフードのカロリーなどの栄養価と照らし合わせながら、
まずはスプーン1杯程度を目安に、適量を与えるようにしましょう。
犬の体に良い豆腐の栄養素
◻︎たんぱく質
豆腐に多く含まれるたんぱく質は、身体を作る為に大切な栄養素です。
筋肉を作り、毛艶を良くする働きがあります。
ですが、犬は本来雑食寄りの肉食動物であり、植物性たんぱく質や脂質の消化吸収が得意ではありません。
食餌は必ず動物性たんぱく質がメインになるようにし、植物性たんぱく質を摂り過ぎないように気をつけましょう。
◻︎大豆サポニン
抗酸化物質である大豆サポニン。
血栓が出来にくくする作用や抗炎症作用、活性酸素を取り除く働きをするなど、沢山の効能があります。
また、脂肪の蓄積を防ぐ作用もあり、ダイエットにも有効と言えます。
犬に豆腐を与える際の注意点
◻︎常温に戻して
冷たいまま与えると、お腹を壊してしまうことがあります。
必ず常温に戻してから与えましょう。
加熱する際は、火傷をしない温度まで、十分に冷ましてから与えてください。
◻︎味付けはしない
人間が食べるときには醤油などをかけますが、犬に与える際は味付けはしないようにしましょう。
ネギなどのトッピングももちろんNGです。
◻︎様子を見ながら与えて
豆腐には水分とマグネシウムが沢山含まれており、お腹が緩くなってしまうことがあります。
様子を見ながら少しずつ与えましょう。
また、ストラバイト結石の子がマグネシウムを、シュウ酸カルシウム結石の子が木綿豆腐に多く
含まれるカルシウムを過剰摂取すると、症状の悪化に繋がることがあります。
与える前に、主治医の先生に相談しましょう。
◻︎アレルギーに注意を
大豆アレルギーの症状(下痢や嘔吐、体を痒がる、湿疹、元気がなくなるなど)が出た場合は
すぐに与えるのを中止し、すぐに病院を受診してください。
その他の大豆製品にも栄養がたっぷり
◻︎高野豆腐
豆腐を凍らせ、乾燥させた高野豆腐は、豆腐の栄養分が更にギュッと凝縮されており、
犬にとっても理想的な食材と言えます。水で戻して細かく切って与えても良いですし、
おろし金で削れば、ふりかけるトッピングとしても使えます。豆腐に比べカロリーが高いことと、
リンの含有量が多くなっていますので、ダイエット中の子、腎臓に疾患のある子は与える際に気をつける必要があります。
◻︎おから
おからは豆腐を作る工程で、豆乳を搾った後の搾りかすですが、食物繊維が多く含まれていること、
善玉菌の餌となるオリゴ糖が含まれることから、腸内環境を整えてくれる効果があります。
私は、お腹の緩い子の食事に少し混ぜて与えたりもしています。
そして、水分を吸収してお腹の中で膨らみ、満腹感が得られやすいので、ダイエットにも効果的です。
おからは安価で手に入りやすい食材ですが、傷みやすいのが玉にキズですよね。
フリーズドライのおからも販売されていますので、上手に活用していきましょう。
◻︎納豆
豆腐と同じく大豆から出来ている納豆。
たんぱく質、食物繊維などの他に、ナットウキナーゼという血液をサラサラにする栄養素や
カルシウムの吸収を助けるビタミンKが多く含まれます。
人間だと好き嫌いが分かれる食べ物ではありますが、納豆が好きな子は意外と多いんですよ!
いつものフード、手作りごはんのトッピングとして与えてみましょう。
その際、付属のタレ、調味料などは入れず、そのまま与えてくださいね。
ただ、納豆の匂いやネバネバは、特に顔の毛が長い子にはちょっと、と思う飼い主さんもいらっしゃるかと
思いますが、おからと同じくフリーズドライのものも売られていますので、
おやつとしても気軽に与えることが出来ます。是非、一度試してみてくださいね。
愛犬のヘルスケアに上手に取り入れて
豆腐やその他の大豆製品が犬にもたらす、さまざまな栄養パワーがおわかりいただけたでしょうか?
飼い主にとっても、犬にとってもヘルシーな食材、豆腐。
毎日の食事に上手く取り入れ、愛犬の健康な体を維持していきましょう!