暑い夏に麦茶を飲むのは、日本の夏の風物詩としてよく見られる光景ですね。
夏場においては、冷蔵庫に麦茶が常備されている家庭も多いのではないでしょうか?
麦茶が夏場に好んで飲まれる理由としては、麦茶の持つ利尿作用によって、
尿と共に体内にたまった熱を放出し、結果として体温を下げてくれる効果があるからです。
また雑味の無いスッキリとした味わいも、ゴクゴクと一気に飲むことができて、水分の補給にもなります。
おまけにカロリーもほとんどないので、ジュースの様にたくさん飲んでも太る心配がないのも、
麦茶の魅力のひとつです。体温を下げてくれて、水分補給にもなり、カロリーが少ない麦茶は、
犬に対しても同じような効果があり、飲ませても大丈夫です。ただし、犬に与える際には気をつけて
おかなければならないことがあります。今回は麦茶が犬にもたらす効果や、犬に麦茶を与える上での注意点
そして麦茶以外のお茶も犬に与えて大丈夫であるのかを説明していきます。
麦茶が犬にもたらす効果は?
麦茶には体温を下げたり、水分を補給できたりする効能の他にも、抗酸化作用によってガンや
糖尿病などの生活習慣病も予防してくれる効果があります。また、血液をサラサラにする成分も含まれているので
血栓ができるのを予防したり、メラニンの形成を押さえてシミの発生も防いでくれたりします。
それから麦茶には、胃の粘膜を保護する効果もあります。食事と同時に麦茶を飲ませると、
胃液が薄まって食べ物の消化がしづらくなるので、食前や食後に麦茶を飲ませるとより効果的です。
犬に麦茶を与える時の注意点
一度にたくさん飲ませない
犬があまり水を飲みたがらない時や、熱中症の予防対策として麦茶を飲ませるのは効果的ですが、
一気にたくさんの麦茶を飲んでしまうと、軟便になったり嘔吐をしたりすることがあります。
麦茶は水の代わりではなく、麦茶の香ばしい香りを利用して、犬に水を飲む気を起こさせるような、
あくまでも補助的に利用するようにしましょう。
2~3倍に薄める
人間用に希釈された麦茶は犬にとっては濃いので、さらに2~3倍に薄めてから、
犬の体を冷やし過ぎないように常温にして与えることで、さらに麦茶の効能がアップします。
尿結石の犬には飲ませない
麦茶にはカリウムやマグネシウム、リンなどのミネラルが豊富に含まれています。
ミネラルは尿結石のできる原因となるため、尿結石になったことがある犬や、
疑いのある犬には麦茶を飲ませないようにしましょう。
茶葉や麦茶パックの誤食に注意する
麦茶の香ばしい匂いが好きな犬は多く、好んで飲んでくれるのは良いのですが、
煮出したり水出しした後の茶葉や麦茶パックを、犬が食べたり飲んだりしてしまうことがあります。
のどに詰まったり、腸閉塞を起こすと最悪の場合は外科的手術が必要となったりする場合もあるので、
犬にいたずらをされないように片付けましょう。また食卓に置いている麦茶の入ったグラスも、
犬に飲まれないように気をつけてください。
ウーロン茶やほうじ茶は?
麦茶は大麦の種子を煎じたもので、カフェインを含みませんが、ウーロン茶やほうじ茶、
緑茶、紅茶はカフェインを含みます。犬は体内からカフェインを排出しづらく、カフェイン中毒を
起こしやすいため、犬にはカフェインを含むお茶は与えないでおきましょう。
犬は体重1kgあたり20g以上のカフェインを摂取すると、カフェイン中毒の症状を示す場合があり、
100g以上の摂取は致死量となります。
カフェイン中毒の症状は、落ち着きがなく興奮状態になったり、大量のよだれが出たり、
嘔吐や下痢の症状が見られるほか、重篤な場合は痙攣や筋肉の硬直も見られます。処置が遅れると、
最悪の場合は死に至る場合もあります。
最近よく見かける犬用のデンタルケア商品で、歯みがき効果のあるお茶のカテキンを利用したものは、
カフェイン成分は取り除かれて、カテキンの効能のみを強化して残しているので、犬に与えても大丈夫です。
またカフェインが含まれておらず、犬に飲ませても大丈夫なお茶には、麦茶の他に
まめ茶・杜仲茶・ゴーヤ茶・タンポポ茶などがあります。
犬にも麦茶で水分補給を!
麦茶の香りを好きな犬は多く、日常的に麦茶を飲ませていると、
水を飲まなくなってしまうことがありますが、犬にとって一番安全である飲み物は水です。
水分をあまり摂りたがらない時に、飲み水に麦茶をほんの少し入れて香りつけをしたり、
夏場の水分補給や体温を下げたい時などの熱中症対策として、薄めた麦茶を少しだけ飲ませたりなど、
麦茶は補助的に利用するようにしてください。
最近ではペットボトルの麦茶などもあり年中見かけますが、夏に出回る麦茶の茶葉はより新鮮で味も香りもよく、
また抽出に時間はかかりますが、煮出すよりも水出しする方が、麦茶本来のすっきりとした味わいになり、
犬も喜んで飲んでくれます。犬も大好きな麦茶を上手に利用して、愛犬の健康維持をしてあげてくださいね。