栗は9月~10月が食べ頃で、栗ご飯や焼き栗などご家庭で食べる機会が増えます。
また栗のスイーツが好きな飼い主さんは多いと思います。愛犬と一緒に栗を食べたいと思ったことはありませんか?
栗は犬に食べさせても大丈夫なのでしょうか?種類、栄養素、注意点、与え方をご紹介します。
意外と知らない栗の種類とそれぞれの特徴
栗はナッツ類に分類されます。種類は12種類程度あると言われています。
果樹として栽培している栗は4種類で「世界4大栗」と言われています。私たちがよく食べている和栗、
天津甘栗で有名な中国栗、お菓子で使われる西洋栗、あまり食べる機会が少ないアメリカ栗の4つがあります。
見かけはほとんど変わりませんが、それぞれの地域の特徴があります。和栗は100種類以上もの品種があると
言われています。筑波、丹沢などその他合わせて10種類の品種で90%の生産量を占めています。
大粒で甘みが少なく水分が多くしっとりしています。中国栗は小粒で皮が剥きやすく甘みが強いのが特徴です。
西洋栗は甘みや香りが強く洋菓子に適しています。アメリカ栗は果実の品質が良く大きくて強い樹です。
犬に栗はあげても良い食べ物
栗は基本的に与えて良い食べ物です。玉ねぎやチョコレートのような中毒はありません。
栗は一粒に栄養素がたくさん詰まっています。主成分は炭水化物で、ビタミンがバランス良く含まれています。
エネルギーが高い食べ物なので少量でも栄養補給が可能です。犬に食べさせても問題ありませんが、
食物繊維が豊富なので与えすぎには注意が必要です。柔らかくなるまで加熱した栗を与えましょう。
スーパーやコンビニなどに売っている加熱済みの栗は原材料が栗だけであれば与えて大丈夫です。
砂糖などが含まれているものは与えてはいけません。
栗に含まれる栄養素はたくさん!その効果とは?
上記でお伝えしたように栗はナッツ類に分類されます。普段私たちが食べている部分は種の部分にあたります。
栗に多く含まれているのはビタミン類です。ビタミンCは加熱に弱い栄養素ですが栗のビタミンCはじゃがいもと
同じようにでんぷん質に守られているので加熱しても壊れにくいです。ビタミンEは抗酸化作用があり老化防止が
期待できます。油と一緒に摂ることで吸収されやすくなります。ビタミンB6も含まれており、
タンパク質中心の食事の犬にはビタミンB6が良いとされています。ビタミンB6はタンパク質をエネルギーに
変えるために働く酵素のサポート役として重要です。新陳代謝に欠かせない栄養素のミネラル類も
バランス良く含まれています。犬の健康のプラスになります。
安全に栗を犬に与える時の注意点
栗には食物繊維が多く含まれています。一粒そのまま与えるのではなく細かく砕いて与えてください。
犬が下痢をしていたり消化機能が弱っている場合は与えないようにしましょう。
稀ですが栗にアレルギーを持っている場合もあるので最初は少量からスタートしましょう。
食後は様子を見守り体調の変化がなければ大丈夫です。目の充血、体を痒がる、
嘔吐などがあればすぐに動物病院で受診してください。カリウムが多く含まれているので利尿作用により
トイレの回数が増えることがあります。また腎臓病や心臓病の犬には注意が必要です。
新鮮で美味しい栗の見分け方とは?
硬い殻に包まれているのであまり鮮度は落ちなさそうに見えますが、実は早く鮮度が落ちます。
見た目に大きな変化がなくても注意が必要です。
見分け方は前提に地面に落ちているものを拾うことです。木から自然に落ちてよく熟している証拠です。
木についている栗はまだ食べ頃ではありません。次に穴の開いていない栗です。クリシギゾウムシという虫が
穴の中に潜んでいる可能性があります。この虫が外に出る時に開けた穴です。
見分けがつかない時はたっぷりの水に半日程度栗をつけるといいでしょう。
虫食いがある栗は中に空洞ができているので浮いてきます。果皮に張りと光沢があり、
大きくてツヤがありずっしりと重みのある新鮮なものを選びましょう。
安全な栗の与え方はしっかり加熱すること!
栗は栄養豊富ですが食物繊維も豊富で犬にとって消化しにくいので大量に食べさせないようにしましょう。
栗は鬼皮をむき、渋皮を取って加熱して食べさせましょう。そのままではなく細かく切ったり、
ペースト状にすることをお勧めします。殻や渋皮は繊維が多く消化によくありません。
また甘露煮、モンブランなど砂糖やお酒などを加えて調理したものは与えず栗そのものを与えましょう。
栗は栄養価の高い食べ物ですがカロリーも高いので肥満の原因になります。与えすぎには注意が必要です。
与える量の目安は15グラム程度です。中くらいの栗1個です。小型犬では1個でも多すぎるかもしれません。
犬と一緒に楽しく栗を食べるには
栗は栄養たっぷりで、少量で栄養補給できる効率の良い食べ物です。
エサの食いつきが悪い時のトッピングに使えると思います。手作りご飯やおやつのトッピングにもいいですね。
与えすぎや高カロリーなどいくつか注意点はあるものの、飼い主さんと一緒に秋の味覚を楽しむことができます。
一緒に食事ができるのは嬉しいですね。大切な愛犬に適切な量を守り安全に食べさせてくださいね。