蜜蜂が作る黄金色のはちみつ。世界的にも有名な美女、クレオパトラもなめていたという
甘味料であり、英語では、「はちみつの歴史は、人類の歴史」ということわざがあるくらい、
古くから親しまれている食べ物ですが、犬にはちみつを与えても良いものでしょうか?
食べることが大好きな愛犬に、できるだけおいしいものをたくさん食べさせてあげたいと、
多くの飼い主さんが考えると思います。トーストに塗っても、クッキーに塗っても、
料理に入れてもおいしいはちみつを犬が食べることは良いことなのか、検証していきます。
犬がはちみつを食べることについて
はちみつは、ビタミンや、ミネラルなどの栄養源が豊富に含まれており、
運動後の疲労回復にも効果がありますし、消化も良いため、人類は、昔からはちみつを薬用としても
用いてきました。中には、マヌカハニーなどには抗菌作用がある蜂蜜もあり、
なめると風邪の予防になると言われています。
そんなはちみつを犬にあげたいと多くの飼い主さんが考えると思います。
少量でしたら、犬に与えても、基本的には問題ありません。
ただ、どんな食べ物でもそうですが、はちみつの与えすぎは禁物です。
はちみつは高カロリーですから、あまり与えすぎると、すぐに太ってしまいます。
多くても、ティースプーン1杯弱ほどにとどめ、過剰に与えるのは絶対にやめましょう。
ボツリヌス菌や、花粉アレルギーの危険性
少量ならはちみつを与えても問題はないと書きましたが、実は、はちみつは危険な一面も併せ持っています。
人間の乳幼児に、はちみつを与えるのは厳禁だと言われていますよね。
それはなぜかと言いますと、ボツリヌス菌の感染の危険性があるからなのです。
ボツリヌス菌とは、世界中の土壌や海、河川、湖などに広く分布している細菌で、
どこにでもある存在している細菌です。酸素の中では生きていけないので、普段は
芽胞という固い殻のような物の中で眠っているのですが、はちみつの中には
このボツリヌス菌の芽胞が含まれている場合があるのです。
ボツリヌス菌の芽胞を、大人が口にするのは問題ないのですが、乳幼児は母乳しか飲んでいないため
腸内細菌がまだきちんと整っていません。ですので、ボツリヌス菌の芽胞が腸内に入ってしまうと
ボツリヌス菌が腸内で繁殖してしまい、それが原因で、中毒症状を起こしてしまうことがあります。
全てのはちみつにボツリヌス菌の芽胞が含まれているわけではありませんが、
実際、はちみつで中毒を起こした乳幼児がいるため、厚生労働省により、
乳幼児がはちみつを食べることは禁止されています。
人間の乳幼児によくないのですから、子犬にはちみつを与えることもよくないといえるでしょう。
ですから、子犬にはちみつを与えるのは控えましょう。
とはいえ、子犬がはちみつを少しなめてしまったからといって、慌てふためく必要はありません。
子犬の様子を観察して、嘔吐、下痢、腹痛などの症状を起こしていたり、ぐったりしていたり
普段の様子とどこか違うなと感じるようであれば、動物病院に相談をしましょう。
ただし、ボツリヌス菌は、120度以上で、数分加熱すると死滅しますので、
クッキーなどに入れて加熱して与えれば問題はありません。
また、はちみつは様々な花粉からできているわけですが、花粉にアレルギー症状を起こす犬も
中にはいます。ですから、犬にはちみつを与える場合には、指先に、ほんの少しついているか
ついていないかくらいの量で試して、その後数時間、犬の様子をよく観察するようにしましょう。
犬に少しでも普段と違う様子を見せたら、すぐに動物病院に相談するようにして下さい。
犬にはちみつは止めておいた方がいい理由とは
成犬にはちみつを少量与えることについて問題はありませんが、意識的に与える方が良いのか
どうかという点を考えますと、あえて与えなくてもよい食品といえるかもしれません。
というのは、はちみつを与えると、ボツリヌス菌の中毒症状を引き起こす可能性がありますし、
また、花粉アレルギーを引き起こしてしまうこともあります。もちろん、はちみつを与えても
そんな問題を引き起こさないかもしれませんが、絶対ないとは限りません。
加えて、はちみつは高カロリーですから、与えすぎるとすぐに太ってしまうという難点もあります。
犬は甘いものが大好きですから、一度、はちみつの味を知ると、もっともっと欲しいと言って
ものすごく可愛い目で、おねだりをしてくるかもしれません。そんな目をしておねだりをされると
まあ、いいかと思って、ついつい、たくさんのはちみつをあげたくなってしまいますよね。
はちみつを過剰摂取すると太る原因になりますから、そういう点からいっても、最初から、
はちみつを食べさせない方が賢明かもしれません。
というわけで、おいしくて、栄養が高いはちみつは、飼い主さんだけの楽しみにしてもいいかもしれないですね。
愛犬のおやつには、りんご、いちご、柿など、旬の果物をあげるといいでしょう。