愛犬家のみなさん、犬用のごはんやおやつとしての、
ちゅーるという食べ物をご存知でしょうか?
細長いパウチに入った液状の食べ物で、そのパウチを押し出してそのまま与えることができます。
大変お手軽に栄養補給ができる優れものなのです。
このちゅーるを製造しているいなばというメーカーのコマーシャルで流れる、
「ちゅーるちゅーるわんちゅーる~、ちゅーるちゅーるわんちゅーる~」
というメロディに聞き覚えがありませんか?可愛い犬たちが、
美味しそうにちゅーるを食べているコマーシャルです。
そのメロディーを聞いたことはあるけど、ちゅーるがどんなものなのか、
まだよく知らないという方は多いようです。
ちゅーるは何から作られていて、安心して愛犬に与えてもよい食べ物なのでしょうか?
また、パッケージに表示される〈総合栄養食品〉とは、食品としてどういう内容のものなのでしょうか。
詳しくご紹介していきましょう。
ちゅーるには大きく分けて、
〈総合栄養食〉と〈おやつ〉タイプがあります。
今回は〈総合栄養食〉について詳しくご説明します。
〈総合栄養食〉とは
愛犬の成長段階に必要な栄養成分が含まれており、健康を維持できる栄養素が、
すべてバランスよく摂れる食品のことを総合栄養食といいます。
犬が普段食べている主食のことです。
総合栄養食品としてパッケージに記載するには、
ペットフード公正取引協議会の定める栄養基準を、クリアしなければなりません。
〈おやつ用〉とは
ご褒美などで与えるおやつのことです。
パッケージに摂取の給与目安量が表示されていますので、
おやつとしてその範囲内で与える必要があります。
ちなみにおやつや間食は、原則として1日に必要なエネルギーの、
20パーセント以内に抑える必要があります。
ちゅーるは何から作られているのでしょう?
総合栄養食品である「とりささみビーフ入り」を調べてみました。
【原材料】
鶏肉(ささみ)・鶏脂・チキンエキス・酵母エキス
タンパク加水分解物・増粘剤(加工でんぷん)
ミネラル類(カルシウム・鉄・銅・マンガン・亜鉛・ヨウ素・カリウム)
増粘多糖類・ビタミン類(ビタミンA・ビタミンE・ビタミンD3・ビタミンB1
葉酸・ビタミンB12・コリン)・キトサン・紅麹色素・緑茶エキス
以上のように犬にとって必要な栄養素が、すべてバランスよく含まれています。
では、この原材料に入っているミネラルから、少しご説明させていただきます。
・カルシウム
骨を形成する重要な役割を果たしているミネラルです。
不足すると骨がもろくなり、骨折などの原因になります。
小魚・豆腐・小松菜・わかめ・乳製品などに多く含まれます。
・鉄
赤血球のヘモグロビンに必要な成分で、酸素を全身に運ぶ働きをします。
また、活性酸素を分解し、免疫機能を維持する
働きがあります。
レバー・赤身の肉・魚・大豆・野菜・海藻に多く含まれます。
・銅
タンパク質やコラーゲンの生成を助け、
骨を丈夫にする働きがあります。レバー・豆腐・そら豆・キノコなどに多く含まれます。
・マンガン
酵素を活性化する補酵素として働きます。骨の形成に必要なミネラルで、
軟骨の生成に必要な成分でもあります。タマゴ・玄米などに多く含まれます。
・亜鉛
コラーゲンやケラチンを生成するのに必要で、
皮膚・被毛・粘膜・爪の健康に関係します。免疫機能を高める働きもあります。
カキ・ほうれん草・牛乳などに多く含まれます。
・ヨウ素
甲状腺ホルモンの合成に必要な成分です。妊娠中または、授乳中の母犬には特に必要な栄養成分です。
体の中で不要になったヨウ素は尿として排出されますが、
短期間での過剰摂取には気をつけなければなりません。昆布やワカメなどの海藻に多く含まれます。
・カリウム
カリウムは体内に存在する量がもっとも多いミネラルです。
筋肉の細胞の中に多く含まれます。
体内の余分な塩分を体外に出す効果があり、血圧を下げる効果もあります。
野菜・魚・肉・タマゴなどに多く含まれます。
続いてビタミンのご説明をさせていただきます。
・ビタミンA
骨の健康を維持する働きをします。皮膚や粘膜の正常な機能を保つ働きをします。
レバー・ウナギ・卵黄・ニンジン・かぼちゃ・ほうれん草に多く含まれます。
・ビタミンD3
骨格形成や歯に深く関係し、体内でカルシウムとリンの調整を行う働きをし、
カルシウムの吸収を助けます。
・ビタミンB1
神経の伝達に深く関わりがある栄養成分です。
体内にためておくことができないので、毎日摂取する必要があります。
豚肉・ラム肉・馬肉・鶏肉などの肉類に多く含まれます。
・葉酸
皮膚の健康や、発育を促す働きをします。貧血予防にも効果があります。
・ビタミンB12
葉酸と協力してヘモグロビンの合成を助け、貧血を防ぎます。
・コリン
肝機能を正常にし、脂肪肝や動脈硬化を防ぐ働きがあります。
また、コリンはリンと結合してレシチンとなり、
神経伝達物質のアセチルコリンに変化し、重要な働きをします。
レバー・肉類・タマゴ・大豆に多く含まれています。
ちゅーるの〈総合栄養食〉にはこれらの栄養素が含まれています。
ちゅーるの上手な与え方は?
液状の食べ物は使い慣れていない、という飼い主さんは多いと思います。
例えば、どんな時にそれを活用すればよいのでしょうか?
体が元気で、歯が丈夫な犬の主食は、ドライのドッグフードがおすすめです。
ただ何かの理由でドライのドッグフードをいやがる時や、食欲のない時、
食が細くなった老犬に使ってみるのはいかがでしょうか。
消化しやすく、内臓への負担も軽減できます。
また同時に、水分補給もできるので一石二鳥です。
おやつとして与える場合は、おやつタイプのちゅーるになります。
総合栄養食タイプをプラスで与えると、カロリーオーバーになってしまいますよ。
おやつに与える場合も、1日の給与量を参考にして、
与えすぎには注意しましょう。
また、ちゅーるには緑茶成分が含まれており、糞尿などの臭いの軽減が、期待できるようです。
保存料も含まれていないので、愛犬の健康を考える飼い主さんにとっても安心です。
ちゅーるについてご紹介しました。犬によって、好みにも違いがあるため、
初めて場合は少量から様子をみて与えましょう。メーカーの、いなばのホームページや、
ちゅーるを普段からよく使っている方たちの、
口コミや意見を参考にして、上手に活用して下さい。