日本ではほとんど見かけないアメリカンフォックスハウンド。
アメリカでは一般的に知られていますが、日本での知名度は低く、
名前すら聞いたことがないという方が多いのではないでしょうか。
なんなアメリカンフォックスハウンドの歴史や特徴、性格について紹介します。
アメリカンフォックスハウンドの歴史
アメリカン・フォックスハウンドはアメリカ原産の「嗅覚ハウンド」です。
嗅覚ハウンドは、「セントハウンド」と呼ばれることもあります。
ハウンドとは英語で「犬」、セントは「scent」と書き、匂い・香りという意味です。
嗅覚ハウンドは犬の分類のひとつであり、とても優れた嗅覚で、獲物を追いかける狩猟犬です。
嗅覚の「嗅」の字に「犬」が含まれているように、犬は昔からものすごく優れた嗅覚を持っています。
そのなかでもずば抜けて優れた能力を持っているので、狩猟に適するように交配されてきた歴史を持っています。
長めで垂れ耳を持つ犬種が多いことも、嗅覚ハウンドの特徴のひとつです。
アメリカンフォックスハウンドは、さかのぼる事1650年頃、「ロバート・ブルック」という一人の男性が
自国のイギリスから、アメリカ大陸に持ち込んだ「キツネ狩り用」として飼育されていた
フォックスハウンドタイプの犬を改良されたものだと言われています。
1785年頃になると、ワシントンが管理していたフォックスハウンドのサイズを大きくするために、
フランスから輸入された数匹の猟犬が掛け合わされました。
そして、1830年頃、スピードを増すことを目的とし、アイルランドから輸入された猟犬と血統が混ぜられました。
アメリカンフォックスハウンドの先祖は、イギリス、フランス、アイルランドの猟犬が
200年ほど長い時間をかけて掛け合わさって作られた犬だったのです。
アメリカンフォックスハウンドの特徴
アメリカンフォックスハウンドは、イングリッシュ・フォックスハウンドと比べるとやや小さく、骨格が細く足が長いです。
筋肉質で全体的に引き締まっていて、すらりとした体系をしています。
表情にも気品があり、頭部もエレガントなのが特徴です。
平均体高はオスは56~63cm、メスは53~61㎝、平均体重は30~40キロの大型犬です。
垂れた耳で、被毛はスムースコートです。
スムーズコートはお手入れが簡単ですが、ブラッシングをこまめに行い、タオルなどで拭いてあげましょう。
カラーは、
・ホワイト
・レッド
・タン
・トライカラー
などがあります。
そして、独特な性格をしています。
物事を冷静に判断することができ、見慣れない人に優しく寄り添う性格ではありません。
おとなしく飼い主の指示を待つことができる性格です。
猟犬らしく勇敢で忍耐強く、飼い主には忠実ですが、見知らぬ人には警戒心が強いです。
しっかりとしつけを行わないと噛みついたりなどして他人に怪我を負わせる恐れもありますので気を付けましょう。
滅多に感情を表に表しませんが、家族にはとても愛情深く、
家の中ではおとなしい一面もありますのでよい家庭犬にもなります。
しかし、独特の声で吠える事が多く、頑固な一面もありますので、子犬のうちからしっかりとしたしつけが必要です。
また、散歩中などに小型犬や、小動物や動くものなどを見つけると猟犬の血が騒ぎだし、
強く吠えたり追いかけたりすることがあるため注意が必要です。
したがって、アメリカンフォックスハウンドは初心者には飼育が難しい犬種と言えるでしょう。
運動神経も、他の犬に比べるとトップクラスです。
毎日の散歩は他の犬よりも十分な量が必要で、囲いのあるような場所で長時間思いっきり走り回ることができるとよいでしょう。
家庭犬としての歴史は浅いアメリカンフォックスハウンドですが、
周囲の状況を把握しながら、子供や他の犬とも上手く距離感を取りながら生活できる犬種です。
十分なしつけを行えば、飼い主にしっかり従い家族にも愛情深いので、室内飼いにも十分向いています。
アメリカンフォックスハウンドの病気
アメリカンフォックスハウンドは平均して12~13年の寿命です。
少しでも長く元気に過ごせるように、日々の注意やケアが大切です。
時に気を付ける病気はありませんが、大型犬ですので、
かかりやすい病気のひとつに「股関節形成不全」があります。
股関節形成不全とは、股関節が発育の段階で形態的な異常を起こし、様々な症状を引き起こす病気です。
一般的に両側の股関節に発症することが多いですが、片側だけの場合もあり、大型犬や超大型犬に怒りやすい症状です。
また、血小板減少症もまれに見受けられます。
仕草や歩き方に少しでも異変を感じたら、すぐに動物病院で診察を受けましょう。
また、定期的に血液検査を行うことも大切です。
普段、何事もなく元気に生活していても、定期的に血液検査を行うことで早期発見できる病気などもあります。
愛犬が少しでも長生きするには、飼い主の日頃の気遣いが大切です。