行動の異常

呼吸が荒い?症状をよく見て適切な処置を

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お散歩中や運動後に愛犬が舌を出してハァハァと呼吸の荒い状態を見たことがありますよね?

これは体温を調節するための自然なことです。

しかしいつもより明らかに、呼吸が荒かったり速い場合は病気の可能性があります。

 

呼吸が荒い原因は?

呼吸が荒くなる原因は、下記のような場合です。

・散歩や運動後

・痛み(怪我も含む)

・発熱

・鼻炎

・呼吸器の異常

・ストレス

・肥満体型

こうした原因によって犬の呼吸が荒くなったり、早くなったりしますが、

犬は体温調節のためにパンディングを普段からするので、呼吸の異常に気がつかない場合もあります。

犬種の中でも、ブルドッグやパグなどの短頭種は、口を開けて呼吸をするので見極めが難しいです。

そのため日頃から愛犬の正常な呼吸状態を把握しておく必要があります。

 

犬が苦しそうに呼吸をしていたら

犬は体温調節が苦手です。健康な犬であっても暑いときには呼吸を荒くして、

よだれを蒸発させ、体温を下げています。

しかし、見るからに苦しそうな呼吸や浅くて速い呼吸をしている場合は、

病気の可能性が高いです。

このとき他に目立った症状が出ていないかを確認しましょう。

 

発熱している

39度5分以上の熱がみられる場合は、感染症が疑われます。

 

咳がでる

感染症や呼吸器の病気、または循環器の病気や中毒症などが疑われます。

 

暑い日にぐったりしている

熱中症を起こしている危険性があります。すぐに対処しましょう。

 

口の中が白い

貧血が疑われます。寄生虫病や脊髄の病気の可能性もあります。

 

呼吸が困難な状態の犬を病院に連れていく場合は注意が必要です。

寝かせたり、抱いたりすると余計に呼吸がしづらくなることもありますので、

ケージなどに入れて揺らさないように運ぶと楽な姿勢を保てます。

 

考えられる病気は?

軟口蓋過長症

軟口蓋(上あごの天井部分)が長く分厚いために、空気の通り道が狭くなり、引き起こされる病気です。

主に、パグ、シー・ズー、ペキニーズ、ブルドッグなど短頭犬に多く発症します。

・症状

空気の通り道が狭いので、呼吸がしづらく、呼吸ができなくなることもあります。

また、大きないびき(ガーガーと一定のリズム)をかくことが多く、吐き気をもよおすこともあります。

・原因

軟口蓋が長く分厚いので喉の入り口に垂れ下がり、空気の通り道を塞ぎます。

そのため、呼吸に影響が出ます。

特に短頭種は、顔が平らなので軟口蓋が圧迫され、垂れさがりやすくなります。

・治療

子犬の場合は成長するまで様子をみます。

重症の場合は、垂れ下がっている軟口蓋の一部を切除し症状を改善します。

 

気管虚脱

気管が潰れて呼吸困難になる病気です。

小型犬や短頭犬種に多くみられます。

・症状

運動後や興奮したときに、ゼーゼーといった苦しそうな呼吸をします。

乾いた咳も出ます。

呼吸が荒くなるだけで咳が出ないこともありますが、呼吸が苦しいので落ち着きがなく、

何度も姿勢を変えたりします。

・原因

通常気管は、簡単に潰れないように軟骨で覆われています。

ですが、先天的に軟骨の力が弱かったり、気管のまわりの筋肉が弱くなったりすると、

気管が潰れてしまうのです。

潰れてしまうことで空気の通りが悪くなり、呼吸が苦しくなります。

また、肥満や加齢も原因とされています。

・治療

せきを抑える薬や気管支を広げる薬を用いて対処します。

一時的に症状が良くなっても再発を繰り返します。

重症の場合は、手術を行いますが完治は難しいと言われています。

 

気管支炎

細菌やウイルスに感染してしまい、気管支に炎症が起こる病気です。

・症状

症状の軽い場合は、運動後にコホコホと軽いせきが出ます。

しかし進行していくと、ゴホンゴホンと痰が絡んだようなせきをします。

また、せきの後に吐き気をもよおすこともあります。

その他にも鼻水、発熱、ぐったりしている、呼吸が荒いなどの症状がみられます。

・原因

主な原因は、気管支粘膜が細菌やウイルスに感染することです。

しかし、ほこりや植物の種などを空気と一緒に吸い込んだものによる刺激や、

アレルギーなどが原因になるこもあります。

・治療

せきや痰を抑えるために、抗生物質や抗炎症薬を用います。

また、清潔な場所で安静にすることも大切です。

 

熱中症

犬は暑さと湿気に弱く、高温多湿な環境に5分~15分いるだけでも熱中症になります。

・症状

軽度の場合、呼吸数の上昇、よだれを出す、立ちくらみ、ふらつきといった症状が起こります。

そして吐き気や嘔吐、下痢などもあらわれます。

重度の場合は痙攣や虚脱、死に至ることもあります。

体温が40~43度になると危険な状態です。

・原因

犬は体温調節をしようとパンディング(ハァハァという呼吸)を行います。

しかし、パンディングだけでは追いつかないほど体が高温状態になってしまうと、

全身の臓器の働きが悪くなり、最悪の場合は死に至ることもあります。

・熱中症の応急処置

まず、体を冷やします。

次に、日陰に寝かせ水をかけるなどして、とにかく体温を下げます。

意識がある場合は、水をの飲ませます。

そのときに、水に塩をひとつまみ入れたものや、スポーツドリンクなどを飲ませると水分を早く

吸収させられるので効果的です。

 

日頃から水をこまめに飲ませたり、暑い環境におかないなど、熱中症予防の対策が

大切といえます。

 

今回は、犬の呼吸が荒くなる原因や考えられる病気についてお伝えしました。

原因はさまざまですが、呼吸が苦しいときに考えられる病気に対して、

私たちにできることはなく、すぐに病院へ連れていくことが一番の対処法になります。

 

また、日頃から愛犬の観察をして、病気の早期発見に繋げましょう。

 

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