犬の耳掃除に綿棒を使用したとき、何気なくその辺に置いた綿棒を、犬がオモチャにして誤って食べてしまうことがあります。
そのような時にどうしてよいのかパニックになってしまわないよう、対処方法をあらかじめ覚えておきましょう。
また、耳垢や耳の中の皮膚の状態によっても、耳掃除の方法や掃除をする頻度がかわります。
こちらの記事では、犬が綿棒を食べてしまった時の対処方法や、耳掃除のやり方と頻度、
そして耳掃除を好きになってもらえるコツと、耳掃除に使用する耳掃除専用の洗浄液や耳掃除シートまで紹介します。
犬が綿棒を食べてしまったら?
犬が誤って綿棒を食べてしまったとき、まずは慌てずに何本ほどの綿棒を食べたのかを確認しましょう。
また綿棒の芯となる部分の、素材や種類も確認してください。
紙製の芯であれば飲み込んでもふやけてやわらかくなるので、体の中で刺さったり詰まったりする心配はありません。
2~3本程度なら数日で便と一緒に排出されます。ただし大量に飲み込んでしまっていたり、
芯の材質がプラスチックや木であったりした場合は、速やかにかかりつけの動物病院に連絡を入れて、指示を仰ぎましょう。
また経過観察を選択された場合は、毎回便の中までチェックをしてください。
犬に負担のない耳掃除のやり方とタイミングは?
犬の耳掃除の頻度とやり方は、耳垢の状態や耳の内側の皮膚の状態によって変わります。
まず耳の中が全く汚れていない場合は、耳掃除をする必要はありません。
シャンプーのあとに耳に入った水分をそっと抑える程度で十分です。
茶色い耳垢が少し出ている程度なら、やわらかい綿花を洗浄液で湿らせてそっと汚れを取り除きましょう。
硬い綿棒で耳掃除をすると、皮膚に細かいキズがつき、よけいに雑菌が繁殖しやすい環境を作ってしまいます。
また耳の奥まで掃除をしようとすると、かえって汚れを奥に押し込んでしまいます。
耳の奥は洗浄液を耳に直接流し込んで、耳の付け根を優しくマッサージしてあげると、
犬がプルプルと頭を振った時に、浮き上がった耳の中の汚れが洗浄液と一緒に出てきます。
出てきた汚れをやわらかい綿花などで丁寧にふき取りましょう。
耳掃除をしてはいけないのは、耳の穴が見えないほど大量の汚れがたまっている場合や、
耳の内側の皮膚が腫れている場合です。
また黒い耳垢が出ているときは耳ダニが繁殖していることがあり、
酸っぱいにおいがする場合なら炎症を起こしている可能性があるので、動物病院で診てもらうことをおすすめします。
耳掃除が苦手な犬にならないために
犬に耳掃除を好きになってもらうコツは、耳掃除をされることは気持ちが良いと、
犬に思ってもらえるやり方をすることです。まずは痛い思いをさせないように、やわらかい素材の綿花などを使い、
さらに擦れて痛くないように洗浄液で湿らせてから掃除をしましょう。
また掃除する力加減もやさしく、耳や頭を押さえる手も強すぎないような保定をしましょう。
それから耳掃除を始めるタイミングも大切です。
犬をいきなり捕まえて押さえつけて始めるのではなく、最初は話しかけながら犬の体全体をなでたり
マッサージしたりして、犬とコミュニケーションを取って落ち着かせてから
マッサージの延長かのように自然な流れで耳掃除を始めてあげてください。
そしておとなしく耳掃除ができたら、しっかりとほめて一緒に遊んであげたり、
ご褒美のおやつをあげるなどするとよいでしょう。
耳洗浄液の選び方と便利なシートタイプ
犬用の耳掃除洗浄液は、たくさんの種類がありますが、ふき取り専用のものと直接耳の中に入れても
大丈夫なものとがあるので、表示をよく確認しましょう。
耳の中を早く乾かすためにアルコールが配合されているものは、スースーとした刺激があり、
デリケートな犬はその刺激を嫌がることがあります。
またハーブが配合されている製品で、犬によってはハーブが皮膚に合わずに赤みやかゆみが出てしまうことがあるので、
選ぶ際には注意しましょう。そして耳の中が炎症を起こしている場合は、
自分で洗浄液を選ばずに動物病院で処方してもらうとよいです。最近はやわらかいガーゼなどに、
あらかじめ洗浄液をしみ込ませている耳掃除シートもあり、洗浄液をつける手間が省けて便利です。
適切な耳掃除で犬の耳の中を常に健康に保ちましょう
今回は犬の耳掃除で気をつけることや、やり方と頻度、耳掃除洗浄液やシートについてまでを紹介しました。
耳掃除をするときに綿棒や綿花を犬が誤って食べることがないように、置き場所や普段の管理にも気をつけてください。
また定期的に耳の中の状態をチェックすることで、耳垢の量や炎症がひどくなる前に気がつくことができたり、
耳掃除をすることで犬とのコミュニケーションを深めたりできます。
犬の耳環境を常にチェックできるのは飼い主だけなので、普段から気にしてあげてくださいね。