冬になると大活躍してくれるのがこたつですね。
家族団らんの時間に、こたつを囲んでミカンを食べるのは日本独特の風景ですが、
その足元に犬や猫が同席していることもしばしば見られます。猫がこたつで丸くなるのは、
童謡でも歌われていることですが、犬もどうやらこたつが好きなようです。
ところで、暑さは苦手なはずの犬が、なぜこたつに入るのでしょうか?
犬がこたつにもぐる理由は?
家族と一緒にいたい
犬は猫と違い、飼い主さんとの密なコミュニケーションを常にとりたがります。
寒かろうが暑かろうが、飼い主さんの行くところへついて行き、体の一部が飼い主に触れているだけで、
落ち着くことができます。また、こたつにいる時の飼い主さんは、
自分にかまってくれる余裕があることも犬はわかっています。犬は空気を読むことができる動物と言われる所以ですね。
こたつの中のにおいが落ち着く
人間の足が集まるこたつの中は、当然ながら体臭がこもっています。
人にとっては決してよい香りではありませんが、犬にとって飼い主さんや家族の体臭は、
気持ちを落ち着かせるよい香りなのです。洗濯かごの中から、
犬が靴下や下着を取り出してしまうのも、同じような理由からです。
こたつの囲まれた空間が落ち着く
犬は外敵から身を守るために、体の四方を囲まれた、狭くて薄暗いところを好む習性があります。
犬がこたつにもぐるのは、まさにこたつがその条件を満たしているので、
犬にとっては安全でくつろぐことのできる格好の場所だからです。
単純に寒い
ひと昔前のほとんどの犬たちは、番犬として庭や屋外で飼育され、春夏秋冬を肌で感じていたのが、
最近では愛玩犬として冷暖房完備の室内で飼育されるようになり、飼育環境が良くなった反面、
暑さ寒さに体が対応できない犬が増えました。犬は喜び庭駆け回る時代とは飼育環境が変わったので、
犬も人間同様に寒いからこたつに入り、なかなか出てこないのはその理由です。
犬がこたつに入っても問題はないの?
熱中症に気をつける
犬は人間の1/5程度しか痛みを感じることができないので、
ストーブの前で毛が焼けて皮膚を火傷していても気がつかないことがあります。
暑さの感じ方も同様で、犬が暑いと感じた時にはすでに熱中症になっていることが多いです。
特に子犬や老犬の場合は、体温を自力で調整することが難しく、環境温に大きく影響を受けてしまいます。
こまめにこたつの中の犬の様子を見て、水分補給をしたりこたつから出てこない場合は、
強制的に出したりするなどしましょう。ガチョウの鳴き声のような雑音の混じった、パンティングという浅迫呼吸やよだれ
失禁が見られる場合は熱中症が疑われます。そのような症状が見られた場合は、内股に氷嚢をあてる、
水で濡らしたタオルで体を包むなどして体温を下げる応急処置をして、動物病院へ連れて行きましょう。
乾燥に気をつける
こたつの中で熱せられ続けると、犬の体は乾燥状態となります。フケが出てきたり、被毛が静電気を帯びたりします。
飼い主さんののどの調子や肌のコンディションのためにも、こたつの電源を入れている間は、加湿器を焚くとよいでしょう。
衛生面に気をつける
こたつの中に犬が頻繁にもぐったりしていると、抜け毛がたまっていたり中には粗相をしてしまう子もいるでしょう。
こたつの中が常に衛生的な環境を保てるように、こまめに掃除をしましょう。
電気コードに気をつける
噛み癖のある子は、電気コードを噛んで感電事故をおこしてしまうことがあります。
こたつ以外の電気コードも、犬の手の届く範囲のものは、100均でも取り扱いのあるコードカバーをつけるようにしましょう。
また犬だけで留守番をさせる場合には、犬の様子を見ることもできないので、こたつの電源は切っておくことをおすすめします。
電源を切っても、こたつ布団の中はある程度の時間なら、温かい温度を保つことができます。
赤外線は問題なし
こたつのヒーターの赤外線を浴びるのは、犬の体に良くないのでは?白内障になってしまうのでは?と
心配をされる方が多いようですが、問題はありません。
人体に影響のない赤外線が使われているので、犬も同様に問題はありません。
犬用こたつをDIYしよう!
人間用のこたつは温度が高すぎて、犬の様子を見たり管理をしたりできるかどうかが不安だという方は、
犬に安心して使ってもらえる犬用こたつを手作りしてみませんか?
普段使っているハウスに低温のペットヒーターをひいて上からマットを置く、またはすのころ使用して小さなこたつ状の枠組みを作り、
上から布をかけ、熱湯を入れたペットボトルにタオルを巻いて中に入れておくだけでも、安全な犬用こたつを作ることができますよ。
犬も人も大好きなこたつを上手に利用しよう!
犬もこたつが好きな理由と、犬がこたつに入る時の注意点はおわかりいただけたでしょうか?
犬も家族の一員です。家族団らんの場はもちろん、普段から犬がこたつに入っている時は、
飼い主さんがしっかりと様子を見て気をつけてあげましょう。
犬も人も大好きなこたつを上手に利用して、寒い冬を快適に乗り切りましょう。