犬に行うマッサージといえば、専門的な技術がいるのでは?と考える方が多いことと思います。
しかし難しく考えなくても、皆さんが愛犬に行っている撫でるという行為も、
マッサージの1つになっています。愛犬へのスキンシップが、マッサージにもなるということです。
リラックス効果のあるマッサージは犬の健康にもよい影響を与える大切なものです。
飼い主さんと愛犬の絆もより深まることでしょう。
簡単なマッサージの方法とその効果などについて、詳しくご紹介していきます。
愛犬へのマッサージにはどんな効果があるのでしょう
犬へのマッサージは、人に行うものとは違います。人のマッサージは少し力を込めて、
コリなどをもみほぐすような感じのものですが、犬のマッサージに力は必要ありません。
力を入れずに優しく撫でることがマッサージになります。
そのマッサージで血行がよくなり、疲労回復などの効果が期待できます。
また、免疫力が上がり、病気にかかりにくくなるとも言われています。
犬は気持ちがよく、飼い主さんが撫でてくれている安心感で、
リラックスして落ち着くことができます。ストレスの少ない状態を作ってあげることは、
愛犬の健康のためにも大切なことです。
また、毎日愛犬の体に触れることで、
ちょっとした異変や体調の変化にも気付くきっかけとなります。ケガをしていたり、
見えにくい体の部位に皮膚炎などを起こしていることもあるのです。
また、体の一部を触ると痛がったり、しこりのようなものが見つかることもあります。
このように、日頃からマッサージで愛犬に触れる機会が多いと、
体の中の異常に早く気付くことができるので、病気などの早期発見にもつながります。
犬にマッサージをする前に知っておきたいこと
マッサージを始める前に、飼い主さんが知っておいた方がよいことがあります。
それは、いきなりマッサージを始めると、不快に思い嫌がる犬がいるということです。
日頃マッサージをしない犬に対しては、マッサージを嫌いにならないように、
少しずつ行うようにしましょう。
〈愛犬も飼い主さんも落ち着いていますか?〉
飼い主さんに時間の余裕があり、心が落ち着いている状態ですか?
犬は飼い主さんの状況や心情をよく見ています。
もし飼い主さんがイライラしていたら、犬も落ち着くことができません。
飼い主さんに、時間や心の余裕がある時にゆっくり行うことが大切になります。
愛犬が落ち着いているかどうかの確認も忘れないで下さいね。
〈飼い主さんの手は暖かいですか?〉
飼い主さんの手は暖かくしておきましょう。
冷たい手で触られると、落ち着かないものです。
お腹を冷たい手で触ると、内臓が冷え下痢などを起こしてしまうこともあるので、
注意が必要です。お湯に手をつけるなど、しっかり暖めてからマッサージを行いましょう。
〈体調不良や皮膚炎、ケガをしている時のマッサージはお休みに〉
犬の体調が悪い時、皮膚に炎症やケガがある場合は
その炎症を悪化させてしまうおそれがあるので、
無理にマッサージをする必要はありません。
また、触られることの痛みから、噛み付いてしまうことがあります。
体調のよい時に行いましょう。
〈犬が嫌がるところは無理に触らない〉
目立った体調不良やケガなどが見当たらなくても、
触ることで体の変化に気付くこともあります。
また、何も原因がなくても、その部位を触られるのを嫌うことはよくあることです。
「ここは気持ちいい」「ここは触られたくない」など、
犬によって好き嫌いもあるので、
嫌がるようなら無理やり触るのはやめておきましょう。
犬が気持ちよいと感じるところだけで十分です。
〈時計やブレスレットは外しておく〉
時計やブレスレットなどの貴金属は、
マッサージの時に犬をキズつけてしまうおそれがあるので、外しておきましょう。
〈あくびが出たら〉
犬のあくびはストレスを感じた時に出る傾向があります。
不快に感じている可能性もあります。
「気持ちがよくて眠くなったのかな」と勘違いしてしまうかもしれませんが、
あくびが出た時は、「もうやめてほしい」という犬のサインかもしれません。
見逃さないようにしましょう。
犬のマッサージ方法とその効果は
あなたの愛犬はどこを撫でられるのが好きですか?マッサージを行う時は、
まず、犬が撫でられて喜ぶ場所から始めましょう。
〈首から胴体に向けて〉
愛犬はいつも飼い主さんを見上げています。
小さな犬だとより高く見上げなければいけません。
犬の首に掛かる負担は大きいものです。
両手でそっと首の辺りを挟み、その手をゆっくりと胴体の方へ移動させます。
血流を促すような感覚でそっと繰り返します。
〈背中〉
首の後ろから尻尾に向かって、指の先を使って撫でていきます。
毛並みに沿って背骨の辺りや、胴の横の部分をマッサージしましょう。
〈耳〉
耳の付け根の辺りをかるく握り、親指でそっとクルクルとマッサージします。
垂れた耳の子は、耳全体をブラシなどを使ってゆっくり撫でてあげても喜びます。
〈顔〉
手でのマッサージもよいですが、
顔の場合は温かいタオルを使うと、犬はとても気持ちがよいようです。
目の上に温かいタオルをそっと置いてあげて下さい。
そのまま、おでこや目の周り、頬を撫でてあげましょう。
〈お腹〉
仰向けになってお腹を見せてくれる子は、
そっと手を当てて、胸からお腹の辺りを撫でていきます。
「の」の字を書くように、ゆっくりクルクルと撫でるのも気持ちがよいようです。
お腹を見せてくれない子は、背中側から手を回してお腹の辺りを手で挟み、
ゆっくりマッサージしてあげて下さい。
〈前足〉
犬は体重の70%を前足で支えているそうです。疲労もたまりやすくなります。
足の付け根辺りから足先に向けて、指のはらを使って優しく撫でてあげましょう。
〈後足〉
走ったり、跳ねたりするのに使う大きな筋肉がある後足は、
疲労が最もたまりやすい場所です。足先からつけ根に向かって、
リンパを流すイメージでマッサージしましょう。
マッサージの時間は5分~10分程度で十分です。長い時間することより、
毎日、少しの時間でも愛犬に触れることの方が大切です。
最近では、トリミングとセットでマッサージを行っているサロンも多いようです。
犬のストレス軽減が期待できるマッサージにも注目が集まっていますが、
やはり、飼い主さんのマッサージが犬にとって一番心地がよいのは間違いありません。
毎日、マッサージをして愛犬に触れることで、さらに絆が深まることでしょう。
マッサージを上手に活用して、愛犬とのふれあいの時間を大切にしましょう。
犬のマッサージについてご紹介しました。参考にして下さい。