愛犬の子どもが欲しいと思った場合、まず考えなければならないことは、
愛犬の子どもが生まれた後も、幸せに暮らせるかどうかということ。あなたの家で全員育てるのか。
それとも、親切なもらい先を探すのか。愛犬の子どもが生まれた後も、
幸せに暮らせる保証ができてから、出産をさせるようにしましょう。
愛犬の子どものもらい先が決まった場合、次に、飼い主さんが勉強しなければならないことは、犬の出産についてです。
人間と違って、犬は大抵、自宅で出産します。人間の出産と同じで、犬の出産も大変なもの。
できる限り、愛犬が安全に出産できるように、事前に準備しておきましょう。
愛犬が妊娠したら
犬の妊娠期間は、およそ9週間。人間より短いので、交配してからあっという間に出産の時を迎えてしまいます。
愛犬が交配したら、まずは、かかりつけの動物病院に相談をしましょう。
かかりつけの動物病院が夜間営業をしていない場合には、夜間営業をしている動物病院を確認しておくことも重要です。
犬の出産は安産だと言われていますが、トイ・プードルやチワワなどの小型犬や、
パグやブルドックなどの短頭種などは難産の場合も多くあります。何が起こるかわからないのが出産というもの。
いつでも駆け付けてくれる専門家の手配をしておきましょう。
そして、あらかじめ、動物病院で出産予定日などを確認しておきます。
また、出産予定の一週間前には、動物病院でレントゲンを撮り、お腹の中に胎児が何頭ほどいるのか。
自然分娩で大丈夫そうか。必ず調べてもらいましょう。
場合によっては、自然分娩が難しい場合もあります。そんな時には、帝王切開で取り出すことになります。
このような判断をするためにも、早めに、母犬の健康状態や、胎児の状態を調べておきましょう。
自然分娩の場合に準備しておきたいこと
自宅で自然分娩をすると決まったら、まず、お産箱を用意しましょう。
ダンボールなどで準備します。子犬がそこから逃げ出さないように、ある程度、高さのあるものにしましょう。
ただし、母犬が自由に出入りできるように、高すぎないように注意します。
外から、中が見えないように、しっかり壁で囲ってある方が、母犬が安心して出産できます。
中には、新聞紙や、タオルなどをしきつめ、寒い時期の場合には、ヒーターなどを用意しましょう。
通常、犬は人間が手助けしなくても、自分で出産をすることができます。
生まれた子犬を覆っている羊膜を口で破り、へその緒を噛みちぎり、
子犬をなめて綺麗にし、お乳を飲ませて、大きく育てます。
ですから、犬自身が、きちんと子犬の世話ができる場合には、そっと様子を見守るだけにしておきましょう。
けれども、犬によっては、子犬の世話ができない場合もあります。子犬が生まれてきたのに、
母犬が、子犬の羊膜を破ろうとしないとわかったら、人間が助産する必要があります。
そのような時、どうすればいいのか。その場で慌てないように、事前に調べて準備しておきましょう。
母犬が、子犬の羊膜を破ろうとしない場合。子犬の羊膜を人間が破ってあげます。
羊膜をかぶったままでいると、子犬は呼吸ができません。
ですから、まず、羊膜を破ります。それから、ガーゼで顔をふき、綺麗にしてあげましょう。
この時、子犬が鳴きだせば安心なのですが、場合によっては、グッタリと動かず、鳴きださない子犬もいます。
そんな時には、子犬が鳴きだすまで、背中をタオルでさすったり、軽くたたいたりして、子犬が鳴くように促しましょう。
子犬が鳴き声をあげたら、一安心です。へその緒を切りましょう。木綿糸で子犬の身体から1センチくらい離れたところを縛り、
その結び目からさらに1センチほど離れた場所をハサミで切ります。
このハサミは、あらかじめ、アルコール消毒をして清潔にしておきましょう。
へその緒が無事に切れたら、ぬるま湯をはった洗面器で肩から下を優しく洗って、タオルで水気をとります。
子犬を清潔に洗ったら、母犬のそばに戻して、様子を見守りましょう。
犬のへその位置と、臍ヘルニアについて
犬も哺乳類です。母犬とへその緒でつながっていたわけですから、もちろん、へそはあります。
人間のように大きくて目立つわけではなく、小さな傷跡のようなものなので、探しにくいかもしれませんが、
犬が、お腹を出してダラーンと寝そべっている時に、お腹をナデナデするついでに、ヘソを探してみましょう。
犬のへそは、毛がよく密集している辺りに隠れています。お腹の毛をそっとかきわけて、へそを探してみましょう。
ただし、しつこく、へそを探したら、犬が嫌がるかもしれませんから、
お腹を優しくなでながら、何気なく、指で触って探して下さいね。
通常、犬のへそは出っ張っていませんが、場合によっては、へそが出っ張っていることもあります。
ただのデベソならいいのですが、まれに、臍ヘルニアという病気の場合もあります。
もしも、犬のへそが出っ張っている場合には、放っておかないで、必ず、動物病院を受診しましょう。
そうはいっても、へそがどこにあるのか。出っ張っているのかいないのか、よくわからない場合もあるかもしれません。
そういう時のためにも、日ごろから定期健診をして、専門医に確認しておいてもらうことをオススメします。
定期健診をすれば、臍ヘルニアの他にも、病気が見つかるかもしれませんから、ぜひ、定期健診をして下さいね。