犬がいびきをかく様子を、みなさま見たことはありますか?
犬を飼っている人なら、知っていると思いますが、犬も人間と同じようにいびきをかきます。
なかには「グーグー」「ガーガー」とおじさんのようないびきをかく子もいて、
初めて見た人はおどろくかもしれませんね!
そんな犬の日常の一コマのいびきですが、犬のいびきには病気が潜んでいる可能性もあります。
今回は、いびきの原因と対策、異常ないびきを見極めるポイントなどを紹介します。
いびきはどうして起きるの?
いびきが起きるメカニズムは、人間と同じです。
呼吸をすると、吸った空気が鼻や口から喉・気管を通り、肺に届きます。
犬が眠っている時、何らかの理由でその空気の通り道が狭くなり、空気が振動することで音が出ます。
この音がいびきです。
寝ているときにいびきが聞こえるのは、通常起きている時はこの空気の通り道が広く、
スムーズに空気が通っているからです。特に熟睡している時は筋肉が緩まっているため、
空気の通り道が狭くなりやすいのです。
いびきの原因は主に4つ!
犬のいびきの原因として挙げられるのは、主に下記の4つです。
①体型・年齢
犬も人間と同じように太っているといびきをかきやすくなります。
喉の周辺に脂肪がつくと、呼吸をしづらくなり、空気の通り道が狭くなります。
また、年を取ることもいびきをかきやすくなる原因のひとつです。
老犬は、筋力が衰えてしまうため、喉周りの筋肉が緩まり、
太っているわけではないのにいびきをかきやすくなります。
犬の老化現象は、呼吸器系だけでなく他の病気が原因となって、
いびきをかいていることもありますので、日頃の愛犬の体調の変化には十分気を配るようにしてあげましょう。
②短頭犬種
ブルドッグやパグ、ボストンテリアなどの鼻がつぶれた犬種はいびきをかきやすいといわれています。
つぶれた鼻はその構造上空気が通りにくく、いびきをかきやすいのです。
これは、犬の身体の特徴でもありますので、軽いいびき程度であれば大丈夫です。
また、大型犬の下唇が大きな犬種もいびきをかきやすいといわれており、
セントバーナードやゴールデンレトリバーなどが挙げられます。
いびきをかきやすい大型犬種には、普段から興奮するとフガフガと言ったり、
水を飲むときにゲホゲホとするなどの傾向があるようです。
③犬の暮らす環境
犬がいびきをかく原因に、人間が吸うたばこの煙があります。
たばこの煙は、嗅覚が敏感な犬にとって、鼻の粘膜を傷つけるほどの強い刺激物です。
鼻の粘膜が傷つくと、その場所を守ろうとして鼻水が出るため、鼻が詰まりいびきをかきやすくなります。
また、犬に薬を飲ませている場合は、薬の影響でいびきをかきやすくなることがあります。
薬の副作用に筋肉を緩める作用があるものを与えている場合、普段いびきをかかない犬でも、
いびきをかくようになります。
④病気
4つのうち、もっとも注意しなくてはならないのが病気によるいびきです。
病気の症状で鼻や喉、気管に異常が起き、いびきをかくようになります。
いびきの原因となりやすい病気として、
・風邪
・アレルギー
・気管虚脱
・軟口蓋過長症
が挙げられます。
「急にいびきをかくようになった」「うるさいいびきをかくようになった」などといった、
睡眠時の愛犬の変化が見られた場合、一度動物病院へ連れていくことをおすすめします。
病院に連れていく際には、いびきをかいている様子が見られると診察の助けとなりますので、
愛犬がいびきをかいて寝ている時の動画などを持っていくとよいでしょう。
原因別いびき対策方法
人間のいびきには、鼻に貼るテープやいびき防止まくらなどのいびき対策グッズが販売されていますが、
残念ながら犬のいびき対策にはそのような便利グッズはありません。
愛犬のいびきを心配する飼い主さん、またはうるさいいびきにお悩みの飼い主さんのために
原因別のいびきの対策方法をご紹介します!
①体勢をかえる
愛犬が寝ている時、決まった姿勢のときにいびきをかいているようなら、
一度体勢を変えてみるといびきが改善されることがあります。呼吸をしやすいように背中を丸めるとよいでしょう。
②ダイエットをする
太っていることが原因でいびきをかいているのなら、オヤツを減らしたり、
散歩の時間を長く取るなどして、愛犬の肥満改善に努めましょう。
いびきをすぐに止めることはできませんが、長い目でみると、いびきの対策だけでなく他の病気の
リスクを減らすことにもつながりますから、犬の健康のためにもダイエットをおすすめします。
③犬の生活環境を整える
飼い主さんがタバコを吸っており、その部屋で愛犬も一緒に生活しているようなら、
空気清浄機を付けてあげるといびきの対策に効果的です。
④アレルギー対策をする
愛犬に花粉症などのアレルギーがあるようでしたら、
花粉を出来るだけ吸わないように気を付けてあげましょう。部屋には花粉まで除去できる空気清浄機をとりつけ
犬の毛布やクッションなどを洗ったときは、取り込む際に念入りに花粉を叩いて落とすとよいでしょう。
犬は散歩中に花粉を吸ってしまうことが多いので、花粉や排気ガスなどが少ない時間帯に散歩をするのもオススメです。
犬のいびきの見分け方チェック
犬のいびきの原因と対策についてご紹介しましたが、気になるのは「このいびきが大丈夫なのかどうか?」ですよね。
飼い主さんに気にしてほしい、異常ないびきをまとめましたのでぜひチェックしてみてください!
・普段はいびきをかかないのに、急に(数日で)いびきをしだした
・いびきの音が急に大きく、うるさくなった
・いびきをしながら、せき込んだりげっぷをしている
・いびきをしながら、息苦しそうにしている
・老犬である
犬のいびきのほとんどは、体型や寝相によるものです。
しかし、いつもと違ういびきをしている場合は、病気が潜んでいる可能性があるので、たかがいびきと軽くみると危険です。
愛犬の様子が普段と違うなど、気になることがあれば、一度動物病院に受診してみてください。