突然、愛犬が鼻血を出したら飼い主さんはとても驚きますよね。
犬が鼻血を出すのは、人間と比較すると少ないと言われています。
軽いものから深刻な問題まで、幅広い病気の可能性があるので注意が必要です。
もし、愛犬が鼻血を出した時は慌てず様子を見て、念のため病院で受診することをおすすめします。
今回は鼻血を出す原因と対処法などについてお伝えします。
犬の鼻血は重要視しなければいけない
犬も高齢になるにつれて目が見えなくなったり、耳が聞こえなくなったりしますが、
命に影響はありません。ですが、嗅覚は違います!
犬は、嗅覚を使うことで味覚や周りの状況を把握することが多く、
人間よりも秀でる器官なため、生活に必要な部分と言えます。
嗅覚は鼻血が原因で機能が衰えることもあり、最悪の場合嗅覚を失ってしまう可能性もあります。
それは犬にとって、多大なストレスを与えることとなり、亡くなってしまう場合もあるのです。
犬の鼻はとても多くの役割があり、大切です。その鼻から出血をしたら危険信号だと覚えておいてください。
犬が鼻血を出す原因
通常、犬が鼻血を出す場合は体調不良によるもの、
または何らかの病気にかかっている時と考えてください。
重篤の場合、悪性リンパ腫やガンなどの恐ろしい病気が原因の場合があります。
そのため、外傷がないのに愛犬が鼻血を出したときには、早急に病院へ連れていきましょう。
外傷によるもの
鼻をどこかにぶつけた時などに、鼻の中を傷つけてしまった場合や異物が混入して
鼻の粘膜を傷つけてしまい鼻血がでることがあります。
傷が原因の場合は、運動をしばらく控えて安静にする必要があります。
また、大量に出血をしている場合は、鼻の骨を骨折している可能性があります。
その場合、大量に出血することで貧血なり、輸血が必要になることもありますので早急に病院へ行きましょう。
腫瘍(できもの)による出血
犬は鼻の中に腫瘍が原因で鼻血を出すこともあります。腫瘍(しゅよう)とは以下のようなものがあげられます。
・扁平上皮がん
・悪性リンパ腫
・線維肉腫
・可植性性器肉腫
などの重篤な病気があります。
・扁平上皮がん
扁平上皮がんとは、皮膚の表面を覆っている扁平上皮がガン化した状態のことです。
扁平上皮ガンは、皮膚が存在する場所ならばどこでも発生する可能性があり、
特に鼻腔、副鼻腔、舌や歯肉、扁桃、肺、爪、股間などに多く見られると言われています。
・悪性リンパ腫
全身に存在するリンパ腫がガン化した状態のことです。
犬の腫瘍としては発生率が高いとも言われています。
症状として、リンパ節の腫れ、嘔吐や下痢、皮膚炎などが見られます。
リンパ腫の場合は抗がん剤を使用するのが一般的な治療法になります。
・線維肉腫
線維肉腫とは、線維芽細胞がガン化した状態のことです。
がんの中では転移する可能性が低いとされていますが、肺への転移を起こすこともあります。
線維肉腫になる原因は解明されていませんので、予防するのは難しいです。
そのため、早期発見、早期治療が最重要になります。
・可植性性器肉腫
可植性性器肉腫とは、交尾をすることにより移るガンとされています。
世界で2つしかない自然発生したがんのうちのひとつです。
発症する多くは熱帯地方に集中していて、日本ではまず見られない病気ですが知っておくといいでしょう。
元々持っている病気が原因によるもの
主な病名は、甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)、
クッシング症候群、多血症、多発性骨髄腫、血管炎などの病気があげられます。
それぞれの病気に合う高血圧を抑制する治療を行います。
・甲状腺機能亢進症
甲状腺の過形成や機能性甲状腺腫瘍などによって甲状腺ホルモンが活発になることで発症する病気です。
・クッシング症候群
クッシング症候群とは、「副腎皮質機能亢進症」とも言われ、何らかの原因によって、
副腎皮質からのホルモン分泌が過剰になる状態のことを指します。
犬のホルモン病の中でも最も多い病気とされています。
主に5歳~7歳以上の犬が発症しやすいと言われています。
・多血症
何らかの原因で、血液中の赤血球が増える病気です。
犬の多血症の原因は脱水によるものが多いとされています。
・多発性骨髄腫
多発性骨髄腫とは、形質細胞が骨髄内で悪性腫瘍となった状態のことを言います。
原因はまだはっきりと分かっていませんが、中でもジャーマンシェパードの発生率が高く、
8歳~10歳位の高齢犬の発症が多くみられます。
・血管炎
血管障害によって、血行が悪くなり引き起こす病気です。
主な症状として、食欲の低下や発熱、体重の減少、脱毛などの皮膚症状も出てきます。
感染症によるもの
ウイルスや細菌、カビなどによる感染によっても鼻血が出る場合があります。
特徴として、血と膿が混ざりドロッとしたような血が出ます。
また、鼻血だけではなく、くしゃみや鼻水も見られることが多くあります。
血小板の異常
血小板は血液を固める働きがありますが、何らかの原因で血小板の数が減少していたり、
血小板の数は正常だが機能に異常があると血液が固まりにくく、
鼻血を出すことがあります。その特徴として、1度鼻血が出るとなかなか止まりませんので、
早急に病院へ連れて行きましょう。
歯槽膿漏
犬も人間と同じように高齢になるにつれて、歯槽膿漏になりやすくなり、
症状が重症化すると鼻にも炎症が広がっていきます。
鼻に炎症が起こることで、鼻水や鼻血が止まらなくなり、
放置しておくと細菌が体にも広がってしまう恐れがあるので病院へ連れて行きましょう。
また、両側よりも片側から出ることが多いので、鼻血が片側から見られた場合は
口の中もチェックするようにしましょう。
歯槽膿漏は、毎日の歯ブラシや固いものなどを噛ませることで予防できます。
鼻血が出たときの対処法
私たち人間が鼻血を出した場合は、鼻にティッシュなどを詰めますよね。
しかし、犬の鼻血の場合は鼻に詰め物をするとさらに鼻血を悪化させてしまったり、
窒息してしまう危険もありますので絶対にやらないでください!
出血量が少ない場合は、安静にしていればよくなります。
しかし、出血量が多くなかなか止まらない場合は早急に病院へ連れていくようにしましょう。
今回は犬の鼻血について紹介しました。
犬がめったに鼻血を出しません。そのため、鼻血を出したときはまず病気を疑ってください。
そして、すぐに病院に連れて行ってあげてください。