犬はどのような時に便秘になるのでしょうか?
今回は、犬の便秘について紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
犬は何日から便秘なの?
人間と同じく犬も便秘になります。
人間は数日間便が出ないことも珍しくありませんが、犬にとっては異常事態です。
犬は、2日以上便が出ていない場合は便秘と言えます。
犬にも個体差があり、成犬は1日に平均1~3回程度便をします。
子犬の場合は消化器官がまだ未熟なため、成犬より便をする回数が多いですが、
子犬、成犬であっても2日以上出なければ便秘です。
また、便が出ていても量が少なく、硬くコロコロしている場合は便秘の前触れです。
便秘になる原因は?
犬が便秘になる原因はいくつかあります。
・運動不足
・水分不足
・食事の偏り
・環境の変化
・病気
以上のことが考えられます。
運動不足
小型犬、大型犬に関わらず、犬は運動が必要です。
運動することで、腸の働きが活発になり、蠕動運動が起こり消化促進や便秘解消につながります。
また、適度な運動は、便秘だけでなく肥満予防にもなります。
毎日決められた時間に散歩に連れていくことは、便秘の予防になります。
実際、犬が散歩をしているときに便をするのを、目にすることも多いですよね?
もし、あなたの愛犬が便秘かも?
と心配になった時は、散歩の時間や回数を増やすのもいい方法だと思います。
特に注意が必要なのが、室内飼いの方や普段仕事で留守にしがちな方です。
十分な運動スペースがなかったり、散歩の回数が少ない場合、便秘になりやすくなります。
水分不足
便秘は水分の摂取量が少ない場合にも起こります。
便を作るのに水分は必要不可欠です。
愛犬がドッグフードばかり食べ、水分をあまり摂らない場合は、ドッグフードをお湯に浸し
水分を含ませたり、野菜や果物を少し与えてあげましょう。
犬に必要な水分量は、1日の必要カロリーと同等と言われています。
愛犬の水分量が適切かどうか見直してみましょう。
食事の偏り
食事によっても便秘になる可能性があります。
犬は小麦やとうもろこしなどの穀物に含まれている動物性タンパク質が苦手なため、
それらを使用しているドッグフードを与えている場合は、消化不良を起こし便秘になります。
また、人工添加物や品質の悪いドッグフードにも注意してください。
一度、成分表を確認して愛犬に合ったドッグフードに切り替えたりして
様子をみるのもいいと思います。
また、カルシウムを与えすぎても便秘になりやすく、おやつの骨やカルシウムの成分が多く
含まれているものには注意しましょう。
環境の変化
犬は環境の変化に敏感です。
例えば、引っ越しや家の模様替えなどの変化にも犬はよく気づきます。
生活環境が変わると、犬にとってはストレスになり便秘につながります。
他にも、お留守番やトイレトレーニングの失敗で怒られたときなどにもストレスを感じています。
お留守番はなるべく寂しい思いをさせないように、おもちゃなどを用意して工夫しましょう。
トイレを失敗してしまった時も怒らないように気を付けてください。
また、トイレはいつも清潔にしておきましょう。トイレが不潔だと、
「したくない」という思いが強くなり便秘になってしまいます。
犬の事を考え、落ち着いた環境で生活できるようにできる限り配慮しましょう。
病気
犬の便秘は病気のサインとして現れることもあります。
上記であげた4つの原因に心当たりがなく、
何日も便秘が続く場合は病気を疑ったほうがいいかもしれません。
便秘は病気の可能性あり?
便秘を引き起こす病気は何が考えられるでしょうか。
肛門嚢炎
肛門嚢とは、肛門の両側にある小さな袋のことです。
マーキングに使うにおい成分が分泌されています。
この肛門嚢に炎症が起きる病気です。
・原因
通常排便時の圧力で押し出される肛門嚢のにおい成分が、
排出されずに肛門嚢に溜まることで細菌感染しやすくなります。
細菌感染で肛門嚢が大きく腫れ、破裂することもあります。
大型犬よりも小型犬によく見られます。
・症状
肛門を床や地面にこすりつけながら歩いたり、なめたりします。
進行すると、痛みが激しくなり、肛門付近を触られるのを嫌がります。
排便が困難になり苦しさから鳴き続けることもあります。
・治療
外から肛門嚢を押し、中の分泌物を押し出します。
必要があれば抗生物質を用います。また、肛門嚢炎を繰り返す場合は手術になることも。
前立腺肥大症
前立腺が大きくなり、近くに臓器を圧迫し様々な症状がみられます。
・原因
加齢によって徐々に肥大していくため、老化が大きな原因とされています。
また、早期に精巣を去勢した犬には前立腺肥大が起こらないことから、
精巣ホルモンが関係しているとも言われています。
・症状
肥大した前立腺が周囲の臓器を圧迫するようになると、症状があらわれ、
一番多いのは、排便障害です。
直腸が圧迫されて、便秘になったり、便が少ししか排出されなかったりします。
・治療
通常は対症療法が中心とされています。
肥大がかなり進行している場合は、手術で前立腺を摘出という方法もあります。
しかし、技術的に難しく、治療の対象が体力のない老犬が多い為、
症状を和らげる治療が一般的です。
会陰ヘルニア
会陰ヘルニアとは、肛門周囲(会陰部)にある筋肉の間からおなかの中の臓器や脂肪が
飛び出てしまう病気です。
肛門を挟んで両側に発生することがほとんどですが、片側のみに発生する場合もあります。
また、高齢になると発症しやすく、去勢をしていない犬がかかりやすいです。
・原因
会陰ヘルニアを発症しやすい犬種が確認されていることから、遺伝の可能性があるとされていますが
はっきりとした原因はわかっていません。
・症状
肛門の周囲が膨らみます。飛び出している臓器によっても症状は様々ですが、
腸管が飛び出していることが多くみられます。
そのため、排便困難を引き起こします。
似た症状に肛門嚢炎がありますが、会陰ヘルニアの方がはるかに大きいコブを形成します。
・治療
直腸や膀胱をお腹の中に固定する手術や、筋肉の裂け目を縫うなどの
発症部位を修復する手術をします。
また、二次感染を予防するための抗生物質や、直腸に便が溜まってしまいヘルニアを
引き起こさないために便を柔らかくする便軟化剤を用いることもあります。
便秘にならないために
もしあなたの愛犬が便秘になっている場合は、重篤な病気の可能性もあるので
原因を特定し治療する必要があります。
また、便秘の原因が病気でなくても、生活を見直し飼い主のあなたが愛犬の
便秘を予防してあげることが大切です。
水分不足や食事の偏りが原因の場合は、水分補給をこまめにさせたり、食物繊維の量を
増やすなどしてみましょう。
また、ストレスを感じさせないようにすることも重要です。
自律神経が腸の蠕動運動をつかさどっているので、ストレスによって便秘になるこもあります。
飼い主さんがマッサージをすることで、副交感神経を刺激して
犬をリラックスさせる効果がありまず。
今一度、犬にとって居心地の良い環境かを考えてみてください。
犬の便秘は、毎日の生活から対策できます。
飼い主さんが、気を付けてあげることで悪化を抑えらえるので注意してよく見てあげてくださいね。