ジャパンケネルクラブ登録されている10のグループのうちの1つに「鳥猟犬」があります。
今回は、鳥猟犬グループの中の「ゴールデンレトリバー」について紹介します。
ゴールデンレトリバーの歴史
レトリバーとは「retriever」から来ており、「回収」という意味があります。
ゴールデンレトリバーは、水鳥猟としてハンターが撃ち落とした獲物を泳いで回収し、
持ち返る猟犬として活躍していました。
人間に忠実で、陸上では俊敏に行動することが出来、冷たい水の中でも遠くまで泳げるので
長時間猟場で活動することが可能な大変優秀な犬です。
ゴールデンレトリバーは、イギリス原産の犬種です。
ウェイビー・コーテッドレトリバーとニューファンドランドとの交配で出来た形を元に、
その後、ツウィード・ウォーター・スパニエルや、アイリッシュ・セッター、ブラッドハウンドなどとの交配を重ね
19世紀の終わり頃に今の形とほぼ近い形のゴールデンレトリバーになったとされています。
1903年にイギリスの英国ケネルクラブが、ゴールデンレトリーバーを
「フラットコート-ゴールデン」と登録し
1911年にはフラットコーテッド・レトリーバーとは別の犬種として「ゴールデン又はイエロー・レトリーバー」となり
その後、イエローが削除され「ゴールデンレトリバー」となりました。
なお、ゴールデンレトリバーはラブラドールレトリバーの長毛タイプだと思われることが多いですが、
ラブラドールレトリバーの祖先犬は、ニューファンドランド半島と言われており、両者は全く別の犬種です。
現在では、アメリカで最も人気の高い犬種のひとつです。
ゴールデンレトリバーの特徴
ゴールデンレトリバーは、体高約54~61cm、体重は約24~34kgと大型犬に属します。
垂れ耳で、目はアーモンド型です。
ゴールデンレトリバーには、イギリスタイプとアメリカタイプの2種類が存在し、
両者の違いは、体系と鼻口部、毛の色にあります。
イギリスタイプは、比較的がっしりとした体型で、鼻口部は短め、
毛の色はゴールドまたはクリーム系の色で、白っぽい色をしているのが特徴です。
アメリカタイプは、スレンダーな体型で、鼻口部がやや長めであり、
毛の色は濃いめで茶色っぽいゴールドです。
また、ゴールデンレトリバーは、ダブルコートと呼ばれる毛の生え方が特徴です。
ダブルコートとは、上下2重構造の毛の生え方のことで、
上毛をオーバーコート、下毛をアンダーコートといいます。
ダブルコートの犬種は、他にもダックスフンド、チワワ、ポメラニアン、柴犬などがいます。
それに対し、オーバーコート(上毛)のみしかない毛の生え方をシングルコートといいます。
オーバーコートは、しっかりとした剛毛で皮膚を保護する役割で、
アンダーコートは、柔らかい毛で保温の役割を持っています。
この毛の生え方の違いで、毛周期が変わります。
ゴールデンレトリバーのアンダーコートは密集して防水性が高くなっています。
このことからも、ゴールデンレトリバーが水鳥猟に適している犬種といえます。
ゴールデンレトリバーの性格
ゴールデンレトリバーはとても賢く温和でとにかく愛情深いことで知られています。
他の犬にも人にもフレンドリーに接することが出来、
はじめての人にも近寄って行く程人懐っこい性格です。
人間に対しての協調性もあり、家族と一緒に行動することを好みます。
家族の一員として人の近くで生活すること、仲間として認められることを喜びます。
物覚えも大変よいのでしつけやすく、
とても扱いやすい犬種なので、子どものいる家庭でも飼いやすいといえます。
ゴールデンレトリバーの飼い方
①生活場所
ゴールデンレトリバーは、寂しがり屋で孤独を嫌います。
そのため、家の外の犬小屋の中で独居させず、室内で飼う方が向いているでしょう。
また、豊かで美しいゴールデンレトリバーの被毛は、
寒さには強い反面暑さにとても弱いという欠点があります。
その点でも、温度調節が出来る室内での生活の方が望ましいといえます。
②しつけ
優しく温厚な性格で物覚えも早いので、しつけやすいのですが、
子犬のうちにきちんとしつける必要があります。
きちんとしたしつけをせず成犬になってしまうと、
やんちゃで好奇心が旺盛な一面や気が散りやすい面もあるので、トラブルを起こしかねません。
犬としては遊んでいるつもりでも、小さな子どもが大型犬であるゴールデンレトリバーの
下敷きになったりしては大変なことになります。
子犬のうちからきちんとしつけましょう。
③運動
ほぼ全ての大型犬に共通して言えることは、十分な運動をさせてあげる必要があるということです。
特に大型犬は、その体格に見合った運動をさせてあげなければいけません。
運動させないことでストレスが溜まり、体や心に不調を覚え
トラブルに発展するケースもあります。
特にゴールデンレトリバーは、アクティブで遊ぶことが大好きな犬種です。
毎日の散歩は欠かせません。
また、体力があるので、ドッグランなどで十分体を使って遊ばせてあげることもおすすめです。
もともと回収犬であることから、フリスビーを使って遊ぶことも得意です。
フリスビーを使った遊びは、飼い主と一緒に遊ぶことに喜びを見出し、両者の絆は一層深まるでしょう。
水遊びも大好きなので、夏はプールや川や海に連れて行ってあげるのもいいでしょう。