JKC(ジャパンケネルクラブ)によってグループ分けわされた
第5グループの「原始的な犬&スピッツ」について紹介していきたいと思います。
このグループに属する犬種は、日本を代表する日本犬も多くいます。
「原始的な犬&スピッツ」の特徴
日本では特に、日本スピッツのことを「スピッツ」と呼ぶことも多いですが、一般的には
・耳がピンと立っている
・鼻先が尖っている
・日本犬のような見た目
といった特徴の犬種を総称して、スピッツと呼びます。
スピッツという言葉は、「尖っている」という意味のドイツ語が由来となっています。
犬の祖先はオオカミ?
犬の遺伝子は大きく4つに分類することが出来るそうです。
そのうちの1つの遺伝子は最も原始的な遺伝子であり、オオカミの遺伝子に限りなく近いものなのだといいます。
これは、犬種同士がどのようにつながっているのかという遺伝子構成の研究をしたアメリカの大学の発表によるものです。
犬の先祖がオオカミだという説を聞いたことがある人は多いと思いますが、
この発表により、現在もオオカミの遺伝子を持つ犬種が存在することがわかりました。
遺伝子的には、
・最もオオカミに近い原始的な犬種が柴犬であること
・柴犬や、シベリアン・ハスキー、チャウチャウなどのスピッツの一部にも
古代犬の遺伝プロファイルに近い形質があること
などがわかっています。
アジアを起源とする犬種には未だに原始の犬が持っていた遺伝子が多く残されているのです。
犬の先祖がオオカミだという説は、今も世界中で研究されており、
「ハイイロオオカミ」という種類のオオカミが犬の直接の祖先だという説が最も有力とされています。
ハイイロオオカミは世界中に生息しており、
約1億5千年前には一部の地域で人に懐いて犬のように、人と共生していたと考えられています。
オオカミと犬の違いは?
確かに、日本犬やシベリアン・ハスキーはオオカミと見た目が似ていますよね。
では、オオカミと日本犬の違いは何なのでしょうか。
①体の大きさ
もちろん、種類によって違いはありますが、
平均的な体高は、
・犬 50~60cmくらい
・オオカミ 60~90cmくらい
です。
②歯
これは、生活環境によって変化したものともいえますが、
犬に比べ、オオカミは
・歯が鋭くて大きい
・あごの筋肉が発達していて力が強い
などの特徴があります。
これは、オオカミが自然界で生きていくために、獲物を獲ったりかみちぎったりするためです。
オオカミの目が、犬より鋭いのは、顎の筋肉が多く頬骨が高く位置することで眼がつり上がって見えるからなのです。
③足
犬に比べ、オオカミは
・前足が後方についている
・肉球が細長い
という特徴があります。
これは、犬に比べオオカミが俊敏に動くことを必要としており、
スピードも速く長距離を走るためのものとされています。
オオカミは、時速70㎞で20分もの間走り続けることが出来ます。
また、時速30㎞前後の場合は7時間以上もの間走り続け獲物を追い回す事もあります。
④尾
犬の尻尾が短く、種類によっては尻尾が丸まっている犬種も存在するのに対し、
オオカミは尻尾が長く、巻き尾である犬種はいません。
⑤出産、成犬になるまで
犬と狼の、妊娠期間はほぼ同じで約63日です。
ただし、犬が1回の出産で6~10頭産むのに対し、狼は犬4~6頭程と産む数に違いがあります。
また、犬が成犬になるまでには約10ヶ月ですが、オオカミはう約2年を要します。
また、オオカミの繁殖は年に1回で(冬)、群れの中の最上位のカップルのみ一夫一妻型で行います。
そして、メスが単独で子育てをするわけではなく、オスや群れが一丸となって子育てを手伝うのが特徴です。
オオカミはとても恐いイメージがあるので、意外な一面も多いですよね。
日本では、明治時代に野生のオオカミは絶滅しています。
オオカミの一部が人と共生することで、オオカミから枝分かれしたという説もあります。
どのような説にしろオオカミと犬はつながりがあるというのは間違いがなさそうです。
「原始的な犬&スピッツ」の主な犬種
では、「原始的な犬&スピッツ」にはどのような犬種がいるのでしょうか。
・柴犬
柴犬は、日本では長く優秀な猟犬として活躍してきた犬種です。
自立心が強く、飼い主の命令がない時も自分の判断で行動することが出来ます。
家族に対し甘えてくることは他の犬種と比べると少なく、クールですが、忠実で、服従心もあります。
日本犬を代表するフォルムから、柴犬はペットとしてとても人気の犬種です。
最近は、海外でも人気が高まっています。
・ポメラニアン
ポメラニアンは、ドイツ原産の丸くて大きな目と豪華な毛並みが特徴のかわいらしい犬種です。
性格は、人間が好きで他犬にもフレンドリーです。
人間への依存が高いので飼い主からするととてもかわいく思えるでしょう。
そり犬である経歴から、気が強く、吠えることが多少多い傾向にあります。
・シベリアンハスキー
シベリアンハスキーは、ロシアのシベリア地方原産の犬種です。
他の犬種に比べて外見がよりオオカミに近くかっこいい風貌が特徴です。
性格は、他の犬にも人に対してもフレンドリーです。
ソリ犬や猟犬としての経歴を持ち、ポジティブで責任感が強く忍耐強く、頑固な一面もあります。
しかし、意外にも攻撃性は低いので番犬には向きません。
他にも、秋田犬や甲斐犬、スピッツなどたくさんの種類がいます。
次の記事からは「原始的な犬&スピッツ」の種類を順番に紹介していきます!