地震大国ニッポン。災害はいつ、どこで起こるかわかりません。
その時が来たら、あなたはどうしますか?東北を中心にその猛威を振るった東日本大震災から7年。
あの震災で亡くなった死者、行方不明者は24000人を超えました。
人と共に暮らすペットたちもまた、数多く犠牲になりました。
福島県だけでも亡くなった犬の数は、2500匹を超えます。
首都圏直下型地震が起きる確率が「30年以内に98%」と発表されてから1年が経ち、
防災意識を日頃から持つことが私たちに求められています。
もしもの時、必ずしもあなたが犬と一緒にいるとは限りません。
あなたが外出中、犬と離れている時に地震が起きる可能性もあります。
その時、あなたも犬もパニックにならないために、被害に遭わないために、どんな備えが必要でしょうか。
あなたの部屋は大丈夫?
もしも、あなたの外出中に地震が起きたら――。そんなことを考えて、ゾッとした人は要注意です。
犬だけで留守番している状況だとしたら、犬には頼りになる人がいません。
自分の判断で、安全な場所に避難するしか身を守る方法がないのです。
それなのにあなたの部屋が、必要以上に散らかっていたり、
余計なものが置いてあったり、十分な避難経路が確保されていない状態だったとしたら…。
ただでさえパニックになった犬が、物をかき分けて冷静に避難するのは困難でしょう。
たとえ大きな揺れがきたとしても、
部屋がきちんと片付けられ、きちんと防災対策がされていれば、その後の状況は大きく変わってきます。
ちなみに、留守番をしている犬によくありがちな行動として挙げられるのが部屋を散らかすということです。
これは飼い主からしたらとても困った行動なのですがその心理をよく理解することが大事です。
実はその心理には、寂しい気持ちや不安な気持ちがストレスとなって現れています。
そのストレスを発散したいがためにいたずらをするのです。
普段からそんな問題行動をさせないために一緒にいる時はスキンシップを密にとりましょう。
さて、防災対策に話を戻しましょう。もしも地震が来たら、
あなたの部屋は、すぐに逃げられる経路が確保されていますか?
室内に「危険地帯」をつくらない
大きな地震が発生した時、一番こわいのは大きな家具の転倒や落下物によるケガ。
家具の下敷きになれば、最悪の場合、圧死してしまうこともあります。
犬だけではなく、人間の命を救うことにも直結する大切なことなので
家の中の「危険地帯」をなくすためにできることを紹介します!
・大型の家具や、電化製品の固定
大型の家具は倒れるだけでも命の危険があります。転倒防止グッズでしっかり固定を!
・重い物は下に移動して重心をなるべく低くする
軽い物を上に置き、重いものは下に置くことを基本にした物の配置を心がけましょう。
・棚戸のガラスには飛散防止フィルムを貼る
ガラス窓やガラス扉は、破片が飛び散ったら大変なことになります。
ガラス飛散防止フィルムを貼って、ガラスの飛び散りを防ぎましょう。
・ケージの置き場所も考慮して
犬の避難場所としても使えるケージですが、置き場所を間違えると危険です。
ケージの周りにはなるべく物を置かず、屋根が付いたものをおすすめします!
「安全地帯」を増やそう
部屋の危険地帯をなくすことの大切さはわかっていただけたと思いますが
危険地帯を減らしたらそれでOKか、といったらそんなこともありません。
次にしなくてはならないのは、部屋の「安全地帯」を増やすことです。
犬が留守番中に地震がきたとしたら…というもしもの想定をして
避難経路を確保しておくことが大切です。犬が自力で避難できるようにするためには
飼い主がその道をつくってあげるほかありません。
地震によっては、ドアや引き戸がゆがんで開かなくなってしまう事例もあります。
閉じ込められたら逃げ場を失ってしまいます。
飼い主が留守の間だけでも、ドアを開けた状態で固定するなどの工夫もしましょう。
外出のたびにドアをあけることが面倒であれば、これを機に
「ペットドア」をつけうことも検討するのはいかがでしょうか。
実は、柱の数が多いトイレは大きな地震でも崩れにくいので、安全地帯としては最適なんです!
トイレのドアを開放しておくことも良い選択です。ほかにも危険な場所がないか、犬の目線で考えてみましょう。
命を救う「備え」の大切さ
災害時の状況は、普段からの準備が整っているかどうかで大きく変わります。
自分や家族のことはもちろんですが、一緒に暮らす大事な家族の一員である犬のことも
しっかりと考えておかなければなりません。
災害時はどんな行動を取る必要があるのか、そして何が必要となるのかを知っておく必要があります。
避難する際のことだけではなく、避難先はどこなのか
避難先での対応はどうするべきなのか、考えることは思った以上に多いのです。
人だけでの避難ならまだいいのですが犬も一緒となればほかの人への配慮も必要です。
一番近い避難先は、犬も受け入れてくれるのか、しっかり確かめておきましょう。
常日頃から災害時を想定して、家族と話し合っておくことが大切です。
地震が来た時に慌てても、もう手遅れなのです。
災害時の「備え」は地震大国に住む私たちの義務といっても過言ではないでしょう。
その時が来たら、犬が頼りにできるのは飼い主であるあなたしかいません。
守れる命の数を増やすために、落とさなくてもいい命を落とさないために
「備えあれば憂いなし」の意味をあらためて考えてみましょう!